特別企画・BCLの部屋
最終更新日2001年01月28日
【概要】
1975年頃、突然大流行したBCL(Broad Casting Listeners)。
いまではすっかり聞かれなくなってしまった単語である。
主に短波帯(Short Wave)を中心とした遠距離放送局の電波を受信し、受信報告書を放送局に送付して放送局が発行する受信証(=Verification Card 通称ベリ・カード)を集めるという物であった。
受信報告書や受信証は郵送であるため、実際に電波を受信してからベリカードを手に入れるまでには少なくとも数週間はかかる。
郵便を使った「文通」の手段が盛んだった70年代中期ならではの出来事である。
放送事業者と受信者(聴取者)との交流が可能な双方向メディアの走りだったともいえる。
70年代の海外放送局は日本のリスナー向けに日本語放送を行っている局も多く、これらの放送を受信することがBCLの醍醐味であった。
笑いカワセミの声が特徴的なラジオオーストラリア、ビッグベンで始まるイギリス国営放送などなど。
これらの微弱放送局電波を「いかにして聞くか?」がBCLなので、音質に目を向けてはいけない。
ノイズだらけの音の中でかろうじて聞こえる肉声や音楽を探し回るというものである。
モノラルで音質も悪い短波放送。
ラジカセでもステレオタイプが一般的になると急激に見向きもされないメディアとなってしまった。
いまでは日本短波放送を受信するだけでもたいへんである。
短波を受信可能なラジカセは市場からほとんど姿を消してしまった。
ラジオ単体モデルはわずかながらも残っているが、ソニーと松下くらいしか作っていないのである。
前述の海外放送局の日本語放送も激減した。
と、いうより絶滅したと言っていい。
80年代にサイパン島から日本向けに音楽放送を始めたKYOIという局があった。
各ラジオメーカーは最後の短波ラジオの拡販のチャンスだったが、残念ながらまったく売れずに終わった。
KYOIもいつのまにか消えてしまっていた。
今からBCLを始めようという人はまず出てこないと思われるがわずか20年あまりでここまで惨憺たる物になろうとは誰が予想できたであろうか?
BCLマニアの世界 画像提供はけんぱん様です
【資料御提供はk-nisi様です。】
MITSUBISHI JEAGAM(75/11)
三菱のJEAGAM。
一番奥がJR-5500 \43,500、中段左がJP-202 \20,800、中段右がJR-6000 \45,000、
下段左がJP-505 \22,800、下段右がJR-2000 \33,800。
BCLの観点から見るとJP-505とJP-202に注目である。
とにかくカタログのコピーが凄い。
- FM/MW/SW 3BAND RADIO DIXING-PRO JP-505
- 行方不明の短波をつかまえろ
短波重装備。
世界はもう君の物だ。
ロンドン、北京、サイゴンはもちろんキャンベラからブエノスアイレスから世界のトピックスが君の耳を打つ。
DXリスナー(BCL、SWLともいう)なら見逃せないダブルスーパーへテロダイン方式だ。
OSCファインコントロール、IFゲインコントロール、BFOピッチコントロールなどの重装備もついている。
だから海外短波が高感度・高選択度受信できるというわけだ。
●海外短波もばっちり受信、ダブルスーパーへテロダイン方式
●微妙な選局を可能にしたダブルチューニング方式
●感度調整がしやすいIFゲインコントロール
●アマ無線、モールスも逃さないBFOピッチコントロール
●AFCスイッチ DX/LOCALスイッチ
●高感度・高信頼性を確保する豊富なIC、FETの採用
●暗がりでも容易に選局できるダイヤル照明ランプ
●アダプター無しでも家庭のコンセントから楽しめる交直両用電源
●かすかな電波にも敏感、大きく見やすいチューニングインジケータ/バッテリーチェック兼用
●バンド切換を容易にしたプッシュ式選局スイッチ
●好きな音色を作り出すトーンコントロール<スライド式とラウドネススイッチ>
●10cm円形スピーカー
●360度フル回転ロッドアンテナ
●楽しいサウンドを演出する端子と付属品
AUX端子/REC OUT端子/イヤホーン端子/NSBクリスタル端子/外部アンテナ端子(FM、SW用)/イヤホーン/キャリングベルト/乾電池(SUM-2×4本)
OSC-FINEの可変周波数範囲:1kHz-10kHz
BFOピッチコントロールの可変周波数範囲:±1.5kHz
実用最大出力:1.2W(EIAJ)
外形寸法:180(高さ)×275(幅)×84(奥行き)mm
重量:2.0kg
- FM/AM 2BAND RADIO JP-202
- 音が迫る、流れる、はずむ。
2ウェイ2アンププリセット。
音には表情があるんだ。
打ちひしがれた音。
微笑かける音。
ホットな音、冷たい音。
この世界は音でできているんだなあ。
君がこのJP-202形を持ったとき、必ずこう感ずるだろう。
ウーファー、トゥイーターにそれぞれ専用アンプを採用しているからだ。
AM局のプリセットだってできる。
この世の音をいつくしむように、ある時は痛めつけるようにJP-202形は声をあげる。
その魅力に君は勝てるだろうか。
●あらかじめ聴きたいAM局をセットしておけば、FMを聴いている途中でもワンタッチで選局できるプリセット方式
●ウーファー、トゥイーターに専用アンプ使用
●バリアブルミキシングアンプ内蔵でミキシング可能
●バス、トレブル独立音質調整付き
●ラウドネススイッチ
実用最大出力:ウーファー2.2W(EIAJ)トゥイーター0.6W(EIAJ)総合2.8W
電源:DC6V(SUM-1×4本)、AC100V
回路:FM/AM/PRE(AM)、17トランジスタ、8ダイオード
スピーカー:ウーファー120mm、トゥイーター50mm
外部アンテナ:FM75オーム
外形寸法:224(高さ)×235(幅)×83(奥行き)mm
重量:2.2kg
SONY ICF-5900 \27,800(75/12)
- スカイセンサー5900 ICF-5900 \27,800(本体\26,300 ACアダプター\1,500)
X'tal(クリスタル)マーカー内蔵とスプレッドダイヤルの採用によりSW10kHz直読を可能にしたDXer待望のBCL・RX新登場。
-
(1)ベリカード収集
ベリカードとは、Verification Card=受信証のことです。
海外の放送局では、送りだした電波が、対象とした地域で良好に受信されているか、世界のどの地域まで電波が届いているか、また番組が楽しく聞かれているか、番組への率直な意見や感想をリスナーから寄せてもらい受信状態や番組改善の資料としています。
ベリカードはこうした資料提供に対して、いわば感謝を示す礼状というものです。
そのため受信報告書は正確なものでなければなりません。
(2)語学勉強。生きた言葉が学べる魅力。
海外短波局では、母国語の普及のため語学講座を開設しています。
現地人による直接指導、本場の語学を勉強するのにこれ以上のチャンスはありません。
なかでもVOA(Voice Of America)のプログラム、"スペシャル・イングリッシュ"は英語の基本単語2,000語を使って、ゆっくりと語りかけてくれます。
英語をマスターしたい方には聞き逃せない好番組です。
講座用にテキストを用意している局もあります。
(3)世界のニュースをいち早く
電波で送られてくる新鮮な話題、ニュースをいち早く知ることができます。
ニュース番組で定評のあるのが、BBC(イギリス放送協会)です。
世界各地で起こったニュースを迅速に公正に伝えてくれます。
40カ国語の言葉で放送され、毎日世界中50万人以上の人々がBBCのニュースを聞いています。
BCLマニアだけでなく、世界の政治、経済に関係する人々にとって聞き逃せない放送です。
(4)インターバル・シグナル(IS,Interval Signal)のコレクション
各放送局は、番組と番組の合間とか、放送開始直前、終了直後に放送局独自に信号を流しています。
局の確認をたやすくするためです。
このISには、各海外放送局がそれぞれ趣向を凝らしていますので、覚えるとすぐどの局か判別が付くようになります。
遠く南米、エクアドルからの放送"アンデスの声"では懐かしい"さくらさくら"を流しています。
BBC放送はロンドン名物の"ビッグ・ベン"の時を告げる鐘を生放送で電波に乗せています。
(5)世界のヒット曲、そして民族音楽の宝庫
世界のヒットパレードはもとより、初めて聞くお国柄を忍ばせる民族音楽とか種類は豊富です。
たとえばVOAの"Music USA"、"American Musical Theater"、"The Now Sound"、BBCの"Top Twenty"、"Music Album"、"International Hit Parade"、またラジオ・オーストラリアの"Top Ten"、"Hit Parade"など海外短波放送は音楽の泉です。
SINPOコードの書き方
SINPOとは、Signal Strength(電波強度)、Interference(混信)、Noise(雑音)、Propagation Disturbance(伝播障害)、Overall Rating(総合評価)の各頭文字をとったもので、世界中の放送局が認めている受信状態の表記方法です。
各項目が最上の状態で受信できれば、SINPOは55555となります。
記号 程度 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
S(信号の強さ) |
最良 |
強い |
良 |
弱い |
かろうじて聴ける |
I(混信) |
なし |
弱い |
中 |
強い |
最強 |
N(雑音) |
なし |
弱い |
中 |
強い |
最強 |
P(伝播障害) |
なし |
弱い |
中 |
強い |
最強 |
O(総合) |
最良 |
良 |
中 |
不良 |
不可 |
TOSHIBA RP-2000F \28,900(76/05)
- TRY X 2000
X'tal(クリスタル)マーカー内蔵とスプレッドダイヤルの採用によりSW10kHz直読を可能にしたDXer待望のBCL・RX新登場。
- BCL革命 海外短波放送を聞く。さらに国内中波・FMの遠距離放送を聞く。
短波・中波・FM放送を直読する5バンド直読メカで、遠距離受信を可能にしたトライX2000
●精密な放送バンド別直読スプレッドダイヤル クリスタルマーカー付きCALで世界の短波を直読する
短波帯1.6〜30MHzを10の短波バンドに分割。
75・60メーターバンドは5kHz単位、49・41・31・25・19メーターバンドは10kHz単位、16・13・11メーターバンドは20kHz単位で目盛り、より精度の高い短波直読を実現しました。
スプレッドダイヤル較正装置には、水晶発振によるクリスタルマーカー付きCALを採用。
1MHz発振によりダイヤルとメモリを正しく較正。
さらにスプレッドダイヤルロックを新たに採用し、較正をしやすくしました。
●微細なメモリを指針調節つまみで較正。遠距離中波・FMを直読する。
見逃されやすかった中波・FMメモリも直読選局できるまでの精度を持たせました。
中波・FMを狙うBCLのために、指針調節つまみを設け、中波・FMのダイヤルメモリを較正。
受信していながら放送局名が判然としない...ということがなくなり、中波・FM局のDXハンティングが楽しめます。
●5バンド直読メカで短波・中波・FM・アマチュア無線...などの多局受信を実現。
1.6〜30MHzの短波帯をカバー。
この広い受信周波数で、世界の短波放送はもちろん、アマチュア無線・ボルメット気象放送・市民無線(CB)・業務用無線などの受信も可能にしました。
さらに、遠距離の中波・FM放送も思いのままに直読受信できます。
SONY BCL・RX(76/07)
奥の右側がWORLD ZONE 13 CRF-200 \79,800
奥の左側がWORLD ZONE 32 CRF-320 \320,000
手前の右側がWORLD ZONE 9 CRF-5090 \54,800
手前の真ん中がSkysensor 5900 ICF-5900 \27,800
手前の左側がSkysensor 5800 ICF-5800 \20,800
- CRF-320
高精度PLL方式シンセサイザーチューナー採用でSW1kHz直読を実現。
海外短波局の番組予約、待ち受け受信を可能にした話題のBCL・RX。
- 短波受信に高精度PLL方式シンセサイザーチューナー採用。
1kHz単位で直読可能のデジタル式周波数カウンター。
およそ4,000から5,000もの局があると言われている短波放送局。
それらのほとんどが5〜10kHz間隔で電波を出し、しかも常に電波が変動していることなどから、これまで短波受信にはちょっとしたテクニックが必要とされていました。
そこでCRF-320には短波受信をさらに能率よくするため、ラジオで初めて水晶発振を利用したPLL方式シンセサイザーチューナーを採用。
安定した短波受信をはかり、さらに1kHz単位で直読可能の高精度イージーチューニング機構を装備しました。
従来のダイヤル式表示に代わって、発光ダイオードを使用したデジタル式のカウンター。
周波数が2桁のMHz、3桁のkHzの数字で表され、しかも1kHzという驚くべき高精度の単位で読みとれます。
カンやコツに頼っていた短波受信を、この高精度かつシンプルなチューニング方式で、広範囲にお楽しみいただける物になりました。
高精度の水晶時計クォーツをを内蔵。
短波放送の番組予約、留守録音を実現。
クロック精度月差±10秒という、話題の水晶時計クォーツを内蔵。
これまで困難とされていた短波放送の番組予約、留守録音が、簡単なプリセッティングで可能になった画期的な設計です。
タイマーセットつまみを希望の番組の時刻に合わせておけば自動的にスイッチオン。
不規則な短波の放送時間を忘れることなくキャッチできます。
そしてタイマーアウトジャックを使ってテープレコーダーに接続すれば、留守録音も忠実に行います。
(スタンバイ機能の付いたテープレコーダー、ラジオ付きカセットコーダーをお使い下さい。)
早朝、深夜などおやすみの時も、お留守の時でも、お望みの番組を確実に録音。
短波放送の醍醐味を自由なフィーリングで味わえます。
ボタンの切替ひとつで安定したSSB、CW受信
CW(モールス電信など)やSSB(アマチュア無線、船舶通信)が、ボタンの切替ひとつで安定受信。
2個のクリスタル使用、453.6kHz、456.5kHzの固定方式採用で、一段と安定度、操作性をアップしています。
高性能メカに加えて優れた操作性も備えています。
操作ボタンはほとんどがフロント面に調整しやすいように配置され、ひとつひとつに関係あるバンドのマークが表示されています。
そして船舶、自動車の中などで前に転倒した場合、重要な前面を保護するためのガードアーム付き。
さらにケースには簡単に取り外しできるフロントカバーを付属。
しかも電源スイッチ、タイマーがオンのままでもカバーをすると同時にオフになる便利な設計になっています。
3電源方式、ポータブルなコードレスモデル。
多くの機能を装備して13kgという計量。
しかもすっきりとコンパクトにまとめ上げたボディ。
電灯線電源に加えて単一乾電池8個、自動車バッテリーで動作しますので、使う場所を選ばないポータビリティです。
電灯線電源は海外でお使いになる場合を考慮して、国内仕様の100Vの他120、220、240Vに切替可能になっています。
※海外でご使用の場合は事前にお近くのソニーサービスステーションへお持ち下さい。
その国にあった電圧にお切り替えいたします。
【資料御提供はけんぱん様です】
YAESU FR-101a
YAESU FR-101b
YAESU Frg-7
TRIO R-300
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