EVRの部屋
最終更新日1999年5月15日
資料御提供は愛知県のkikuta様です。
参考文献・啓学出版刊 VTR技術入門
【概要】
EVRを語ろうとしたらホームビデオの歴史を語らねばなるまい。
ビデオそのものの発明はアメリカのアンペックス社である。
同社は1956年に2インチのテープを使用したモノクロビデオシステムを発表した。
これが世界初のビデオであった。
記録時間は1秒。
笑うことなかれ。
たった一秒とはいえ、アメリカのテレビ信号はNTSC規格だからきっとこのビデオも画像を連続して30枚は最低でも記録していたはずである。
当時の技術からすると画期的な出来事だったのである。
ちなみに現在広く流通しているビデオを指す言葉の「VTR(Video Tape Recorder)」はアンペックス社の商標である。
- 1956
- アンペックス(米)、回転ヘッド方式による放送用VTRの商品化
- 1959
- 東芝、国産初の1ヘッドヘリカルスキャンVTRを公開
- 1960
- 芝電気(1979年では日立電子)、国産初の放送用4ヘッドVTRを製品化 なんと真空管使用
- 1961
- ソニー、2ヘッドVTR開発
- 1962
- 芝電気(1979年では日立電子)、トランジスタ式放送用VTRを発表
- 1963
- 日本電気、ビクターが2ヘッドVTRを開発
富士写真フィルムが放送用ビデオテープ発売
- 1964
- NHK、芝電気、日本電気、ティアックが協力してスローモーションVTRを開発
ソニー、1/2インチテープを使用した回転2ヘッドヘリカルスキャン方式の家庭用VTRを発表(たぶんオープンリール)
アンペックスが東芝と合弁会社(東芝アンペックス)を設立、日本でVTRの生産を開始
- 1965
- 松下、家庭用VTRを製品化(たぶんオープンリール)
赤井電機、固定ヘッドを用いた家庭用VTRを発表(詳細不明)
- 1966
- ソニー、ディスク式スチルカラー磁気録画再生装置を公開(詳細不明)
三洋電機、家庭用VTRを発売
富士写真フィルム、家庭用、工業用ビデオテープ発売
- 1967
- 東芝、家庭用VTR開発
- 1968
- 赤井電機、アメリカでオーディオ・ビデオ兼用のテープレコーダを発表
- 1969/6
- 日本ビクター、Video Cartridge Recorder発表 1971年に商品化されたようだが、詳細不明
- 1969/10
- 日本電子機械工業会(EIAJ) オープンリール1/2インチVTR モノクロ統一1型家庭用VTRとしての規格制定
- 1969/10
- ソニー、Uマチックビデオ発表
- 1970/3〜年末にかけて
- ソニー、松下、日本ビクター Uマチック家庭用ビデオ発売
家庭用統一規格ということで三社はクロスライセンスを結ぶ。
のちにNEC、ティアックも参画。
- 1970/9
- 東芝、独自のカートリッジカラーVTR「インスタビジョン」発表 商品化はせず
- 1971/4
- 日本電子機械工業会 今ごろオープンリールVTRのカラーモードを推薦規格として制定
- 1971ころ
- 松下、カセット方式VTRオートビジョン発売
カセットの大きさは幅128×高さ29×奥行130mm
記録時間は30分、デッキの値段は34万8千円だったらしい。
- 1974/6
- 東芝、三洋 VコードVTR発表
- 1974
- 赤井電機、カラーポータブルビデオシステム発売
東芝、一般大衆向けのビデオカメラ発売
- 1975/4/16
- ソニー、ベータ方式VTR発表
SL-6300 \229,800だった
- 1975/5
- ソニー、ベータ方式VTR発売
- 1975/6
- ソニー、ベータ第二弾 SL-7300発売
- 1975/9
- 松下寿電子、独自規格のVX-100を四国でテスト販売
- 1975/10
- 日本ビクター、VHS方式VTR HR-3300発売
- 1975
- 日立製作所、1/2インチビデオ発売(詳細不明)
- 1976
- 三洋電機、Vコード2を発売
- 1976/5
- 松下、独自規格のVX-2000発売 21万円という当時としては破格の安価な値段
- 1977
- ゼネラル、TED方式ビデオディスク発売
- 1977/3
- ソニー、ベータ2モード発表
- 1977/3
- 松下、アメリカ市場向けにVHSの半速LPモード発表
- 1978
- 日本ビクター、倍速ビデオHR-3600発売
- 1979/4
- VHS、EPモード発表 記録時間が三倍になる
- 1979/4
- ソニー、ベータも負けじとベータ3モード発表
- 1980/7
- ソニー、CCD採用のビデオムービー発表 8ミリ幅のメタルテープを使用
- 1980/9
- 日立、Mag Camera発表
- 1981
- 三洋電機の子会社、東京三洋電機でVHS方式VTR生産開始
- 1981/2
- 松下、Micro Video規格発表
- 1982/1
- ソニー、日立、松下、日本ビクター、フィリップス カメラ一体型ビデオの懇談会発足
- 1982
- アメリカのゼニス、ベータからVHSに鞍替え
- 1982
- フィリップス、V2000方式発表
- 1982/7
- 日本ビクター、VHS-C規格発表 のちにライセンス剥奪と脅しをかけてVHSグループ各社に無理矢理採用させる
- 1982/8
- 三洋、Handy Video発表
- 1983/5
- ソニー、ベータムービー発売
- 1983/11/16
- 東芝、イギリス向けにVHS方式VTR発売
- 1983/11中旬
- NEC、ゼネラルもベータからVHSへの鞍替え発表
- 1984/1
- コダック、松下からOEMで8ミリビデオ発売
懇談会の統一規格前? 詳細不明
- 1984/4/26
- 8ミリビデオ懇談会、統一規格を策定して解散
- 1985/1/8
- ソニー、8ミリ方式VTR発売発表
- 1985/2
- ソニー、ハイバンドベータ発表 4月から発売
- 1986/1/8
- 日本ビクター、画期的な小ささのVHS-Cムービー GR-C7発表
- 1986/1?
- 松下、1986年中に8ミリビデオムービー発売を発表
しかし、ビクターのVHSライセンス剥奪という話とGR-C7の出来の良さに思いとどまる。
VHSグループ各社は当面はGR-C7のOEM調達でVHS-C規格ビデオムービー発売
さて本題。
EVRとは1960年代、アメリカのCBS社が開発したオープンリールタイプのVTR規格である。
1967年に商品化されている。
EVRとはElectronic Video Recorderの略である。
高解像度の感光材によるフィルムに高エネルギーの電子ビームをフライングスポット管により当てて記録する。
複製が容易にできるという利点はあったが、書き込みは一度限りで再生専用であった。
市場からは1年も持たずに撤退。
というのがいろいろ取材して明らかになったのだが、kikuta様御提供のこの資料はいったいなに?
kikuta様自身は大阪で購入された模様。
【kikuta様の御意見】
テープは送り穴の無い白黒の8ミリフィルムと言った感じで、両端にマグネ処理らしきものが施されている。
1コマ毎に幾何学的な模様が記録されている。
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