コンパクトビデオの部屋

最終更新日1998年12月30日


【概要】資料御提供は山形県在住の佐藤様です。

「コンパクトビデオ」と聞いても大半の人は何のことだかわからないことであろう。
この規格は船井電機が1977年秋に発売した独自のビデオ規格である。
以下に月刊電気店1977年9月号のプロダクトニュース記事を載せる。


モニターTVなしで画と音を再生
FunaiコンパクトビデオF-703を発表

Compact Video

 船井電機(船井哲良社長)はこのほど、モニターTVなしで画と音とが手軽に再生できるなど数々の特徴を備えた「FunaiコンパクトビデオF-703」を開発した。
 最近ビデオは、ベーターグループとVHSグループの2つが競い合って急速に関心が高まってきており、今年は年間50万台が見込まれているが、これらはすべてテレビ番組の記録を中心としたホーム用のもの。
 これに対して今回、同社で発売したコンパクトビデオは、自らカメラを使用して記録することを目的としたもので、最近話題にのぼっているサウンド8ミリと同じような用途の商品。
 しかし操作は、サウンド8ミリよりも簡単で、しかも撮影した後現像せずにすぐ見れること、またテレビ画面に映すため明るいところでも見れること、さらにテープが何回でも使えることなど、8ミリカメラには無い数々のメリットを備えている。
 このタイプの商品は既に他社より発売されているが、重量、サイズの点で問題があり、手軽に持ち運びすることは困難であったが、このコンパクトビデオは、撮る機能を最大限に発揮できるように、重量・サイズを従来の商品の1/2から2/3にまとめられているので、使いやすさの点から言えば、初めてのポータブルビデオである。
 価格面でも従来品が40万円台であるのに対し、モニターTV無しでも使えるという新機構を加え、298,000円の標準価格。
 当面は国内のみの販売で、来年からは輸出も行う予定。
 近い将来、月産3000台〜5000台の計画。
 販売にあたってはフナイ商事(株)が新会社ワールドフナイ(株)に設立し、全国組織を持ってアフターサービスにあたる予定。

《主な特徴》
1.世界一小さくて、軽いビデオ(本体重量3.4キロ、バッテリーを除く)、従来の軽いもので5.0キロ。
2.モニターTVなしで、画と音が再生可能(ビデオカメラの中にブラウン管とスピーカーを初めて内蔵)。
3.ポータブルビデオ、ポータブルカメラ、電源アダプターの3点がセットとなっている。
《FunaiコンパクトビデオF-703の主な規格》
[ビデオレコーダ・F-703V]
信号方式=日米標準TV方式
録画方式=回転2ヘッド周波数変調方式
録画時間=20分(210m)
テープ速度=16.65cm/sec
テープ幅=1/4インチ(6.25mm)
解像度=200本以上
バッテリー=充電式6Vバッテリー(2個)
バッテリー連続使用時間=40分以内
電源=DC12V(3電源方式)
消費電力=15W(カメラを含む)
寸法=213(幅)×254(奥行)×105(高)mm
重量=4.3kg(バッテリー・テープ含む)

[ビデオカメラ・F-703C]
撮像管=2/3インチ静電集束電磁偏向型ビジコン
レンズマウント=Cマウント
水平解像度=400本以上(中心部)
自動感度調整=30〜100000ルクス
ビューファインダー=1.5インチブラウン管内蔵
内蔵マイク=コンデンサマイク
内蔵スピーカー=4cm(8オーム・0.1W)
レンズ=標準16mmF1.8(交換可能)
絞り=F1.8〜5.6
電源=DC12V(F-703Vより供給)
消費電力=5W
寸法=60(幅)×162(奥行)×120(高)mm
重量=1.5kg(標準レンジ含む)

[ACアダプタ・F-703A]
電源電圧=AC100V 50/60Hz
出力電圧=DC12V
選択スイッチ=DC OUT/DC&CHARGE/CHARGE
充電時間=内蔵バッテリー(6時間)、外部バッテリー(別売・18時間)
寸法=100(幅)×200(奥行)×90(高)mm
重量=3kg

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