Scotchテープ
最終更新日1998年9月6日
【概要】 資料御提供はけんぱん様です。
スコッチのカセットテープたち
- 【けんぱん様のご意見】
-
パッケージといい、アンバーな貼り替えラベルといい、シブいとしか言いようのない3MのMASTER 70μ。
インデックスカードの背表紙にオープンリール・テープと同じチェック模様があしらわれていたのもお洒落でした。
デッキの調整用にもよく使われていたので変わり種扱いは失礼かもしれませんが、スコッチがオーディオカセットの名門と言えたのは、この代のMASTER 120μ(→後のMASTER 1)、MASTER 70μ(→同MASTER 2)までだったように思います(MASTER 3の先代はCLASSIC)。
その最大の原因はテープの性能ではなく、定価が少し高いからでもなく、パッケージが他社並みに派手になったからではないかと、今でも勝手に想像しております。
激写の秘密
-
磁性体が違います。
-
「マスター70マイクロ」の磁性体は、まさに画期的な新磁性体「ドープド・アイアン・オキサイド(Doped-Iron Oxide/DIX)」です。
分子構造的に特殊な、超微粒子酸化鉄磁性体に、コバルト・ドーピング効果を付加することによって、磁性体結晶中の電子スピンエネルギーを飛躍的に向上させ、しかも安定した状態で取り出すことに成功したのです。
この結果、固有保磁力は550エルステッド、残留磁束密度は1640ガウスと、大幅にアップ。
クロム磁性体をしのぐ高域の伸び、出力の向上を果たしました。
しかも、中低域では、これまでのクロムタイプでは実現不可能であった高いMOLを同時に実現してしまったのです。
-
Dレンジが違います。
-
新磁性体「ドープド・アイアン・オキサイド/DIX」の特長は、中低域出力で定評ある超微粒子酸化鉄磁性体がベースであることです。
しかも、磁性体密度が高く、オリエンテーションの優れた"Scotch"最新のバインダーシステムによって、この特徴はさらに活かされ、驚異的なヘッドルーム(0VUから飽和レベルまで)を確保。
また、高域はコバルト・ドーピングの効果著しく、可聴帯域を越えてフラットに再生、飽和出力レベルで6dB(15kHz)アップ。
高域のダイナミックレンジは4〜5dB下がったノイズと合わせて実に10dBも増大しています(当社LD比)。
高域は繊細なシズル感豊かに、中低域はあくまでも歪みの無い力強さで、音楽の全てをまさに激写。
カセットの限界を打ち破った、エネルギッシュなダイナミックレンジを実現しました。
-
雑音が違います。
-
新磁性体「ドープド・アイアン・オキサイド(DIX)」は、酸化鉄系磁性体であるにもかかわらず、再生イコライザの高域時定数T2=70μsでご使用いただけます。
もともと「DIX磁性体」の固有保磁力が大きく、また磁性体密度が高いため、テープの高域でのエネルギーが大きいからです。
その結果、実際の再生音は高域の出力を下げることなく、雑音だけを4〜5dB一挙に引き下げられるわけです。
均一に、超微粒子化された「DIX」磁性体本来の雑音の低さとあいまって、カセットの宿命といわれてきたヒスノイズを追放。
雑音に埋もれがちであったピアニッシモも、クリアーに再現します。
550エルステッドという優れた固有保磁力を達成した結果、バイアス特性はクロムバイアスにぴったり。
しかも、ブロードなカーブを描いていますので、あらゆるデッキのクロムポジションと優れた相性を実現しました。
- 【けんぱん様のご意見】
-
METAFINEは世界初の市販TYPE 4カセット。
MASTER 3はその後に登場した3M最後のTYPE 3カセットです。
スコッチの特徴とも言えるクリスタルハーフは、当時の高級テープでは少数派の透明素材でしたが、内部のシートがまっ黒けなので、現在の感覚からすれば中途半端です。
ローラの摩擦が原因なのか、私の所持品(別モデル)は頻繁にキーキー鳴いていました。
開口部中央は完全な透明だったのでヘッドタッチがよく観察できましたが、背面のパッドがテープに引きずられて走行方向へ偏ってしまう光景は、3ヘッド機のオーナーには気になったのではないでしょうか。
METAFINEも相当な変わり種だったようで、これを追って続々と登場した他社のメタルテープの磁気特性がほぼ横並びだったのに対し、適正バイアス量がかなり浅いという記事を読んだことがあります(だから買ったことがありません)。
世界初という栄光に輝きながら世界標準になれなかった点で、TYPE 3のDuadとは対照的でした。
-
クロムポジション用
-
ブライトリーな「忠実のマスター」
"マスター2"の磁性体は、分子構造的に特殊な超微粒子ガンマヘマタイトにコバルト・ドーピング効果を付加したもの。
画期的なDIX「ドープド・アイアン・オキサイド」磁性体です。
-
FeCrポジション用
-
スケール間豊かな「忠実のマスター」
"マスター3"は、世界に先駆けて"スコッチ"が開発した特許技術、二層コート技術から生まれたカセットです。
第一層には中低域感度の優れた超微粒子ガンマヘマタイトを、第二層には高域特性の優れたクロム磁性体をダブルコーティング。
二つの磁性体の特長を高度なコーティング技術でドッキングさせることによって、全帯域にわたって高M.O.L.を実現したのです。
特に高域のダイナミックレンジは一挙に13dBも向上(16kHz、当社ローノイズ比)。
可聴帯域を越えてフラットに伸びた周波数特性とあいまって、ピーク入力にも強いワイドなダイナミックレンジを得ています。
高域は明るくあでやかに、スケール感豊かなサウンドを響かせます。
IEC規格を大幅に上回る高精度の精密クリスタルハーフを採用。
大型テープウィンドーやスケルトン構造によって、テープ残量やヘッドタッチ、テープ走行も一目瞭然。
目に見えない細部の改良により、テープ走行もさらに安定しました。
-
世界初のメタルポジション用
-
圧倒的リアリティの「メタル・サウンド」
永い間、「録音テープの夢」であったメタルテープ。
"スコッチ"はこの夢を世界で始めて現実のものにしました。
"メタファイン"です。
メタファイン磁性体は驚異的な保磁力1000エルステッド、残留磁束密度3400ガウスを実現。
これを高性能クロムポジション・カセットと比べると、実に二倍も強力です(当社比)。
このためM.O.L.は全帯域にわたって飛躍的に向上。
特に高域ではなんと約10dBもアップしています(当社比)。
一方、ノイズレベルは高性能クロムポジション・カセットと同等に抑えました。
抜群の高M.O.L.とあいまって、そのダイナミックレンジはオープンリールの19cm/s 4trackに匹敵するほど。
まさに、カセット離れした特性です。
これらの成果は音質に歴然と表れます。
バスドラムのアタック音も、そしてフルオーケストラの雄大な合奏部も、その場で演奏されているかのようにプレゼンス豊かに再現します。
ハーフは最高の名にふさわしい超精密クリスタルハーフを採用。
完全を期しました。
- 【けんぱん様のご意見】
-
規格が滅び去るまで名門であり続けるだろうスコッチのオープンリールテープです。
オープンといえば、もうスコッチの206/207かAMPEX、と言い切っても批判はされないでしょう。
高音質化といえばスピードアップで済まされる世界でしたから(極東の異国にEEテープというヒステリックな規格が現れたことがありましたが)、テープの進化は逆に難しかったのかもしれません。
宣伝もさして重要ではなかったのか、このカタログ写真以外に広告を見たことがありませんし、写真も#2000のみ。
それでも、赤のチェック模様に古き良きスコッチのシブさが感じられるパッケージです。
-
世界のスタジオ・放送局で活躍。
定評あるマスターサウンド
-
206 LOW NOISE-HIGH OUT PUT
207 LOW NOISE-HIGH OUT PUT
ほとんどの放送局・レコード会社でそのマスターテープとして活用。
可聴帯域を越えるフラットな周波数特性、驚異的なリニアリティ、高SN比などバランスの取れた特性を誇ります。
ダイナミックレンジは実に85dB以上(1kHz)。
18dBものピーク入力にも耐え切り、あらゆる音源を忠実に捉え、再生します。
-
エアチェック、長時間録音に威力。
-
19cm/sのエアチェック・マスター
2000 LOW NOISE-HIGH OUT PUT
19cm/sで往復録音時間120分。
ベースフィルムの吟味、高純度ガンマヘマタイトの採用によって、驚異的な200%(テープ厚:28μ)テープを完成。
38cm/s 2trackに迫る音楽性豊かなサウンドを再生します。
1500 LOW NOISE-HIGH OUT PUT
"2000"と同性能を持つ150%(テープ厚:33.5μ)テープです。
新開発の磁性体、バインダーシステムなど、"スコッチ"の最新録音テープ技術をいかんなく発揮して、いま新しい19cm/sの世界を拓きます。
-
スタジオ・マスターの源流
-
ハイ・コスト・パフォーマンス・マスター
177 LOW NOISE
カセットとは一味違うオープンリールテープの世界。
エアチェックはもちろん、生録音で真価を発揮するのが"177"です。
音のプロフェッショナル"スコッチ"の伝統あるテープ製造技術から生まれたローノイズ・タイプ。
20kHzを越えるワイドでフラットな周波数特性。
超微粒子化された高純度ガンマヘマタイトの採用により、さらにローノイズ化されています。
ゆとりあるワイドなダイナミックレンジは、バルシブな音にも強力。
しかもあらゆるデッキにジャストフィットします。
前のページに戻る
誤記、新情報などありましたら
Web Master
まで
現在もご使用中の方、感想をお知らせください。