特別企画・心に残る妙なビデオたちの部屋

最終更新日2000年4月5日


【概要】

ここでは製品カタログを中心に心に残る妙なビデオたちをご紹介しましょう。


三洋のベータムービー

Beta movie  カメラとビデオがひとつになった録画専用ベータムービー。
 だからこれ一台で撮れる、小型・軽量2.48kg。
 最長3時間20分まで録画OK。
 しかも簡単操作のスナップ感覚。
 身軽で軽快、誰にでも録れて、どこにでも連れ出せる。
 地球全域ビデオフィールド、感動はまるごとだ。

 ベータ方式ははじめから小さなカセット、お手持ちのベータテープがそのまま使えます。
 ベータムービーで撮ってマイコニックで見よう。

 ベータムービーはベータグループ共通で発売していたのだが、なぜか東芝だけが千円安かった。

三洋が最初のVHSビデオを発売したときは「FISHER」ブランドだった。

FISHER VHS FVH-10H \98,000(85/10)
 写真ではわかりにくいが、FISHER by SANYOと書いてある。
 何の特徴も無いノーマル音声ビデオ。
 HQは採用していた。
 ホワイトクリップアップにディテールエンハンサーも装備して「ビデオは画質が基本です」だそうです。

東芝の最初のVHSビデオはいきなり2機種だった

TOSHIBA VHS TOSHIBA A-50SST \146,000 & A-40SST \135,000(85/2)
 写真はA-50SST。
 「とびっきりの鮮明画像とアクセルサーチ、頭出しサーチが自慢です。」とカタログコピーに書いてあった。

ゼネラルのVHS一号機

VGX-F50 GENERAL VGX-F50 \139,800(85/3)
松下からのOEMのようだ。

ベータムービー以前のカメラ撮影セット

TECMAC GENERAL VGD-101 \198,000/VGT-101 \65,000/IK-101 \145,000(83/4)
VGD-101はデッキ、VGTがチューナー、IKがカメラ。
トータルで\408,000もかかった。
いまじゃIK-101の大きさと重さ(ちなみにIK-101は890g)以下でビデオムービーが出ているから技術の進歩は恐ろしい。
ゼネラルのビデオの愛称はTECMACだった。

ハイファイ以前の方がビデオデッキのデザインはよかったかも

8cm VIDEO  たぶん歴代ビデオ中最もスタイルがよいソニーのSL-F11とF7
 F11はステレオタイプ。
 ベータノイズリダクションも装備している。
 F7は新発売当時のCMで桃井かおりが「ソニーがとんでもないビデオを出すそうよ。」と言っていたのが印象に残っている。
 両機とも、背面にPCM切り替えスイッチがついている。
 これは映像補正をオフにするスイッチで、いわば後年のエディットスイッチに似たものである。
 関係ないが、筆者は過去にベータビデオ・ソニーSL-HF3000を所有していた。
 β1SHBモードで録画すると、S-VHSなどよりも素直で強烈な画で録ることができたが、テープランニングコストがあまりにも悪すぎた。

きたむら様からいただいたエディットスイッチとPCMスイッチとの違い

PCMスイッチはPCM記録時にノイズリダクションとドロップアウト補正が有害なために(アナログのビデオ信号のように前の走査線と現在の信号を足し合わせられたら、エラー処理も何もあったものではなくなります(^_^;)
PCMスイッチはこれらの処理をパスする処理で、後で出て来たエディットスイッチ機能には少し足りません。
エディットスイッチで最も大きな改善をもたらしているのは、シャープネス機能のパスや、『絵作り』と呼ばれる画質補正をなるべく減らすことです。
PCMスイッチでは、これらの回路には関与していませんし、当時のデッキには画質補正の機能をパスする回路は、少なくとも民生機にはありませんでした。


changer 今でもオプション品として欲しいカセットチャンジャー。
SONY AG-11 \39,000
ベータマックスF11と組んで、最長18時間の連続録画・再生が可能なカセットオートチェンジャー。
●ベータマックスF11の2週間・4プログラムタイマーの機能に合わせて3回のビデオカセットチェンジ(計4巻)を自動的に行います。
●最長18時間(L-750S、L-750HG、β3モード)の連続録画・再生
●連続巻き戻し機能
●目的に応じて録り分けられる、プログラムエンド、テープエンド機能
●付属のドライバーでビデオへの取付け、取外しが容易

ついでにこれがソニー製VHS一号機。

SLV-7 SONY SLV-7 \140,000
 日立のOEMだったらしい。
 とりたててどうこういう特徴が無い。
 他に、メジャーメーカー初のVHS再生専用機(SLV-P3 \65,000)もラインナップした。

 「性能が良くて、しかも使い易いビデオを」というのがVHSビデオを初めて商品化するときに考えたコンセプトだそうである。


東芝のデジタルハイファイデッキ

DV規格のビデオが発売されているが、1986年にデジタルビデオが発売されていた。
ただし、内容は今となってはとほほといえるレベルである。
A-99HFD TOSHIBA A-99HFD \189,800(86/4)
6ビットのメモリーに静止画像を記録して再生するというだけで「デジタル」を名乗っていた。
その後、通産省から行政指導があって「デジタル」という名称はまぎらわしいので使えなくなった。(^_^;)


NECのハイバンドベータハイファイデッキ

β1Sを装備したハイバンドベータハイファイデッキ
VC-N65 NEC VC-N65 \188,000(85/4)
積極的に見る人のハイバンドビデオというキャッチコピーだった。


東芝のダブルビデオ

VHSを二本収納して使う強引なデッキだった。
A-BS84TC
A-BS84TC TOSHIBA A-BS84TC \173,000(91/12)
同様の手法で日立もVHSのダブルビデオを発売したが、売れ行きはよくなかったらしく、どちらも第二弾が出ないまま消えた。

VHS-Cテープをカセットアダプタ無しで使えたビデオ

HR-SC1000 VICTOR HR-SC1000 \175,000 90年2月の発売
92年6月の時点でカタログ落ち

リニアスケーティングでカッコ良かったが、使い勝手は悪かったようだ。


サイドローディングビデオ

HR-D470 VICTOR HR-D470 198,000(86/2)
何とテープを縦に入れる、新開発サイドローディング方式だそうです。
この結果、幅31.5cmという同社のミニコンポと同サイズになった。
従来の約半分の面積でカセットの出し入れができるという。
だからどうしたという感じだが、これはこれでおもしろかった。
ただコスト高だったのか、サイドローディング方式は第二弾が出ないままで消えた。


side loading
サイドローディングの説明図

S-VHSの一号機

VICTOR HR-S7000 \220,000(87/5)
HR-S7000
一号機だけあって、初期はトラブルが多かった。

パイオニアのハイバンドベータビデオ1号機

ハイバンドベータ方式に加えてβ1S録画モードをプラスして目をみはる高画質を実現。
プロに迫る編集テクニックとパイオニアならではの高音質が堪能できます。
VX-9
PIONEER HiVISTA VX-9 \239,800(1985年3月1日発売)
ソニーのベータマックスSL-HF900のOEM。
ソニーのレーザーディスク参入の見返りか?

パイオニアの8ミリビデオムービー

VX-M70
PIONEER 8mmVIDEO VX-M70 \280,000(1985年春発売)
パイオニアもムービーを発売していた。
世界統一フォーマットだから安心。
小型・軽量・機動性。最大90分の連続撮影。
録画も再生もこれ一台。しかも、撮ったその場でモニター可能。
カタログのコピーもむなしい。(^_^;)

National NV-D21

National NV-D21 National NV-D21 \189,800(1987/05)
PanasonicではないNationalのDIGITAL HiFi-MACLORD D21。
当時流行だったデジタルメモリーを利用したマルチプレイが特長。
世界初の9画面マルチプレイだそうです。
で、このビデオのどこが珍しいのか?
写真の右側にあるバーコードとバーコードシート。
そう、これが松下電器が提唱した簡単予約のバーコード予約の一号機なのである。
デジタルスキャナでバーコードのチャンネル・日付・時刻をなぞり、本体へ転送するだけ。
カレンダータイマーで1ヶ月7番組予約。
なぜか本体操作では8番組予約が可能だった。
テレビ番組ガイド雑誌各誌では目玉番組についてバーコードをつけていたが、ほんの一部の番組だけの対応に終わったので実用にならなかった。
けっきょく松下電器だけのローカル規格で終わった。
使いにくいGコード全盛の今、もうすこし各社に呼びかければ普及したかもしれない惜しい予約方式だった。
ちなみに筆者はGコードを使いやすいとは思っていない。
意味のない数字を押すのが使いやすい方式とは到底思えない。



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