TEAC ELCASET

主な機能・特長

●3モーター・3ヘッド

FGサーボ・DCモーター(左右リール用)を採用、また、録音同時再生が可能なヘッド形式とし、オープンリール・デッキの基本メカニズムの良さをそのまま導入しています。

●クローズド・ループ・デュアル・キャプスタン方式、マグネフロート・キャプスタン・ツイン・ベルト方式を採用

レベル変動や変調ノイズをおさえ、ワウ・フラッターを改善するためにより安定したテープ走行を実現しています。

また、キャプスタン・シャフトの前後動をおさえるため、マグネ・フロート方式の採用もその一助となっています。

●エルカセット・テープの採用で、数々の切り替えスイッチが減り、自動化が計られました。

エルカセット・テープのシェルには規格に基づいて選別用の検出孔が設けられています。

■バイアス、イコライザー自動切換機構

エルカセット・テープにはタイプ1,2,3の3種類があり、それぞれの検出孔により、バイアス、イコライザーを自動的に切り換えられます。

従って、本機にはBIAS/EQ切換レバーなど、付いておりません。

■ドルビー・システム自動切換機構

本機では、NR SYSTEMのスイッチをAUTOにすると、自動検出により、ドルビーシステムのON/OFFを自動的に選別します。

■光電式によるオート・エンド・ストップ

●dbxユニット接続端子

100dB以上のダイナミック・レンジを可能にするdbxシステム・アダプター(DX-10発売予定)を接続する専用端子を装備。

●マイクロ・スイッチとロジック・コントロールによるソフト・タッチ・オペレーション。

軽く押すだけで、どのモードからでもダイレクトに操作できます。

●ワンタッチ無信号録音ができるREC MUTE機構

●大形VUメーターと左右独立ピーク・レベル・インジケーター

●テープ・ヒスを減少させるドルビー・システム内蔵

●留守録音・目覚まし再生ができるタイマー機構

●巻き戻し時にオート・ストップ、オート・プレイができるメモリー・カウンター

●ドルビー・エンコーデッド・テープからのコピーに便利なドルビー・コピー・スイッチ

●FMエア・チェックに欠かせないMPXフィルター

●ソフトに開閉し、取り外し可能なカセットホルダー・カバー

●マイク／ライン・ミキシングが可能

●マイク・ミキシングに便利なマイク・ジャック連動モノ／ステレオ切換

●リモコン(RC-90別売)使用で遠隔操作

●テープ残量が透視できる照明窓付きカセットホルダー

●後追い録音可能

エルカセットの知識

●オープン・デッキの性能・操作性

●カセット・テープの取り扱いやすさ

この2つの特長を兼ね備えている製品−エルカセット

ここに新しいエルカセットが誕生しました。

エルカセットの開発思想は、従来のコンパクト・カセットの持つ"手軽さ"を維持し、しかもハイ・クォリティーな音質を実現することにありました。

まったく新しい駆動方式や機構に基づいて考えられ、日本が世界に先駆けて作られたこの規格は、第3の録音システムとして、永く音楽愛好家、オーディオ・マニアのニーズに答えるものとなりましょう。

特長

●テープ幅6.3mm、テープ・スピード9.5cm/s

オープン・リール・テープと同じ幅、スピードはコンパクト・カセットの2倍。

これは、ダイナミック・レンジの拡大化の他に、ワウ・フラッター、レベル変動、ドロップ・アウト、変調ノイズなど、あらゆる点で特性の向上につながっています。

●新しいサイズのカセット・シェル構造

エルカセット・シェル単体の状態では、コンパクト・カセットと同様に、テープはシェル内部にうまく納められています。

テープ面に触れる心配もなく、テープをいためることもありません。

従って、持ち運びが大変便利です。

一旦、このエルカセット・シェルは装着されるとオープン・リールと同じ威力を発揮します。

つまり、3ヘッド方式に対応して余裕のあるテープ・パスが可能になるよう、テープはエルカセット・シェル内部から引き出される構造になっており、ヘッドやガイドは固定された方式に設計されていますので、安定したテープ走行が得られ、性能アップは何よりも増して大きな利点となっています。

●モノラル／ステレオの互換性をもつトラック・パターン

エルカセットもSide A,B両面の使用が可能で、トラックの位置は、テープ全幅の真ん中から上下半分ずつになっており、モノとステレオの互換性があります。図

●統一規格によるコントロール・トラック

このコントロール・トラックを利用して、プログラム・ソースの頭出し自動化など、将来の発展性に備えています。

●録音・再生時間は往復60分(LC-60)、90分(LC-90)です

●テープの保護用前蓋

シェル内に納められている場合、テープは前蓋によって保護される構造になっています。

●リール・ストッパー

テープを持ち運ぶとき、シェルに振動が与えられても、テープがたるまないように、左右のリールはストッパーの働きでロックされる構造になっています。

これは、シェルを本機に装着されると自動的に解除され、安全にテープが引き出されるよう配慮されています。

エルカセットの知識

●自動切換検出機構

テープの種類(TYPE 1,2,3)の検出孔

ノイズ・リダクション(Dolby)の検出孔

オート・エンド・ストップの検出孔

●誤消去防止装置

コンパクト・カセットのいわゆる"ツメ"は、一度折ってしまうと元通りにするためにテープを貼ったりして、めんどうなものでした。

そこでエルカセットでは復元可能なスライド・ロック装置を設け、使いやすいものになっています。図

規格

エルカセットの規格は下記に示すように定められています。

テープ幅:6.3mm

テープ速度:9.5cm/s

時定数:3180マイクロsec+70マイクロsec

基準録音レベル:185nwb/m

テープの種類:TYPE 1,2,3

外形寸法:

エルカセットテープの取り扱い方

●誤消去防止装置

録音する前に、必ず誤消去防止装置を確認してください。

録音する面の右側の誤消去防止用装置が中に押し込まれていると録音することができません。

つまり、大切な録音済みテープを誤って録音したり、消去してしまうミスが防止できます。

録音する場合は、スライドを元に戻して使用してください。

●「たるみ」はありませんか?

録音・再生する前に、カセットの中のテープがたるんでいないか確かめてください。

たるんだままで使うと、大切なテープを破損するだけでなく、思わぬ故障の原因ともなります。

●エルカセットは図のようにへこんだ部分をもつように取り扱ってください。

デッキ本体に装着したり、取り出したりするにも使いやすくなっています。

●テープのコーティング面に直接手を触れないでください。

テープ保護の前蓋やリール・ストッパーなども不用意に動かさないでください。

テープを傷めることにもなります。

●ゴミ・ホコリの多い場所に放置しないでください。

ケースに入れて保管してください。

●落としたり、強いショックを与えないでください。

●高音・多湿の場所、直射日光の当たる場所、また、強磁気が発生している所などでの使用・保管は避けてください。

トラック形式	4トラック・2チャンネル・ステレオホニック方式
ヘッド	消去、録音、再生(3ヘッド)
使用テープ	LC-60、90エルカセット・テープ TYPE 1,2,3
テープ速度	9.5cm
モーター	キャプスタン・モーター(FGサーボDCモーター)×1 リール・モーター(コアレスDCモーター)×2
ワウ・フラッター	0.04％(WRMS)
周波数特性(総合)	TYPE 1 25-20,000Hz(±3dB) TYPE 2 25-22,000Hz(±3dB) TYPE 3 25-22,000Hz(±3dB)
SN比(総合)	TYPE 1 59dB, TYPE 2/3 62dB
入力	マイク:0.25mV/-72dB(適合インピーダンス600Ω以上) ライン:60mV(入力インピーダンス50kΩ)
出力	ライン:0.3V(負荷インピーダンス50kΩ以上) ヘッドホン:8Ω
電源	100V AC,50/60Hz,37W
外形寸法	440(幅)×230(高さ)×310(奥行)mm
重量	18kg
付属品	入出力コード、クリーニング・スティック

ティアックAL-700

さて、問題のエルカセットですが、やはり思った通り使っている人はほんの一握りといった感じですよね。
メーカーに聞いても「何？それ」といった感じで．．．
当時は結構売れた様なのですが、どうも見なくなってしまいましたよね。
私はオーディオの歴史の一つとしてずっと整備して行きたいと思っています。
もちろん今も完全な状態で録音再生出来る状態にありますよ。
もっとも、この頃のトランスポートの作りはとてもしっかりしているので通常の使用では機構部分が故障するという事はありませんよ。
音の方はヘッドがパーマロイという事も手伝ってか大変土台のしっかりした音で結構気に入ってます。
高域も、とてもしっかりしていてカセットデッキと比べるとゆとりが違います。
ナカミチの１０００−２とかソニーの７７７などと比べても、全体の音作りが違いますよね。
やっぱりオープンリールデッキがベースといった音作りですね。
もっともテープ自体が古いので、ドロップアウトとか他にも若干の不安定要素はありますけれど。
テープの厚みこそ違いますが、その気になればオープン用のテープをエルカセットデッキのハブに巻くことも可能ですからそうしてキャリブレートした音も聴いてみたいですね。

【筆者より】
　貴重なティアックのデッキのお話、ありがとうございました。
　昔のデッキは確かに頑丈な作りですね。
　生テープが40本もあるというのもすごい。
　おそらく日本一の在庫ではないのでしょうか。
　これからも可愛がり続けてください。

情報御提供はけんぱん様です。

AL-700 \198,000

テープデッキの新しい規格−エルカセット。

録音システムの新しい規格として話題を呼んでいるエルカセット。
エルカセットの開発思想は、簡単な操作で一般のカセットの次元を超えたハイクォリティな音質を実現することにあります。
ティアックのエルカセットデッキAL-700は、計測用データレコーダの技術をフルに盛り込んだ、まさに計測機なみの高性能駆動系を採用。
従来のクローズドループデュアルキャプスタンがかかえていた、テープの安定走行面での問題点を、4つの新技術で見事にクリアーしました。
ティアックの蓄積された磁気記録技術の成果を世に問う、話題の大型エルカセットデッキAL-700です。

AL-700 \198,000
テープデッキの新しい規格　エルカセット。
録音システムの新しい規格として話題を呼んでいるエルカセット。
簡単な操作で一般のカセットの次元を超えたハイクォリティな音質を実現しました。
テープの安定走行を得るために駆動系に4つの新技術を採用しています。
●バイアス、イコライザー自動切換機構
●ドルビーシステム自動切換機構
●光電式によるオートエンドストップ
●3モーター3ヘッド
●専用dbxユニット(RX-10)接続可能
●ソフトタッチのオペレーション機構
●REC MUTE機構
●大型VUメーターと左右独立ピークレベルインジケーター
●テープヒスを減少させるドルビーシステム
●留守録音、目覚まし再生ができるタイマー機構
●オートストップ、オートプレイができるメモリーカウンター
●ドルビーエンコーデッドテープからのコピーに便利なドルビーコピースイッチ
●FMエアチェックに欠かせないMPXフィルター
●取り外し可能なカセットホルダーカバー

周波数特性(総合)：25〜22,000Hz(Type2)
SN比(総合)：62dB(Type2)
ワウ・フラッター：0.04%(WRMS)
ひずみ率：0.8%(Type2)
外形寸法(幅×高さ×奥行)：440×230×310mm
重量：18kg