プロのデジタルシステムの部屋
最終更新日1999年7月11日
【概要】
プロフェッショナルレコーディングの現場。
ステレオ芸術1979年8月号に載っていたのでちょっとだけ垣間見てみましょう。
日本コロムビアの現場。
中央のラック中段にあるのが自社製PCMプロセッサ。
8チャンネルの処理ができたらしい。
ラックの上にあるのは波形観測用のモニタースコープ。
さらにその上のがオーディオモニター用のユニット。
左側および右側に位置するオープンリールデッキは「DENON」ブランドであるが中身は日立電子製の2インチビデオレコーダー。
相対速度は40m/secというもの。
CBSソニーの現場。
ラックの最上段にある箱がPCM-1600(\7,000,000)。
2チャンネルタイプのプロセッサであった。
処理能力は16ビットであったという。
その下に二台あるのはUマチックVTR。
ソニーDEC-1000
コンソールデスクタイプの電子編集装置。
テープに直接はさみを入れてのつぎはぎではなく、ビデオレコーダーからの信号をこの装置のメモリー回路に入れて編集する。
この本では「現代の忍者」として絶賛されている。
まあ、たしかに手作業で切り貼りしていたことを考えると画期的な製品だったことだろう。
ソニー PCM-10 \700,000
「スーパーマニアが家庭に導入できるプロセッサ」だそうである。
左側にレベルメーターが美しく光り、近代的な美しさを見せている。
家庭用のビデオカセットと組み合わせ、歪も回転ムラも無くダイナミックでリアルな生録が楽しめる時代になった。
民生用1号機、PCM-1のグレードアップモデル。
主な改良点は、アナログ回路部などで、部品や回路に吟味が加えられてハイファイ用にふさわしいものとなった。
録・再のメーターは液晶表示のピークプログラム式。
高域でのSN比を向上させるエンファシス付き(ON/OFF可)
またVTRを2台用意すれば、本機のみでダビングができる。
VTRのオーディオトラックにアナログ信号を入れられるよう、エクスターナル・オーディオアウトプット付き。
量子化は12ビット・3折線式で14ビット相当となっている。
プロ用は14ビット直線で、その点だけが異なるといえよう。
おまけ・日本コロムビアのPCM録音機第1号。
3Mの32チャンネル固定ヘッド式PCMレコーダー。
ソニーの3200デジタルレコーダー。
固定ヘッドで24チャンネル記録だった。
日本ビクター VP-1000 \1,500,000
VHS、ベータ、U規格など各種のVTRにマッチングできるプロセッサー。
また日本電子機械工業会の方式に準拠している使いやすいモデル。
これらのプロセッサーでのキーとなるのは、デジタルをアナログに、アナログをデジタルに変換する部分。
ここに厳選した部品と回路技術を駆使している。
VYRに記録されたPCM信号をデジタルのままで他のVTRへとダビング可能。
ただし、ダビング禁止コード録音済みのものはもちろんできない。
これは他のモデルでも同じ。
その他の機能としては校正用信号発振器内蔵、エンファシス方式、DCサーボ回路によるサブソニック・スイッチなどが装備されている。
オプトニカ RX-1 \590,000
もっとも価格の低いモデル。
日本電子機械工業会の基準を満足した仕様。
使用するVTRはVHSでもベータフォーマットでもよく、オプティマム・コントロールを調整することでどの機種でも使える。
デジタルダイレクトダビング端子、ライン〜マイクのミキシング可能。
ヘッドホン端子付きと、低価格ながら各種の機能は豊富に持っている。
レベル表示はLEDを使い斜めに光が走るユニークなデザイン。
なお家庭用として使いやすいよう、コンパクト化を達成、大きさ、重さともごく扱いやすくなっている。
オーレックス PCM mark2 \750,000
8年前から開発を重ねていたプロセッサー。
本気の大きな特色はデジタルミキシング機能。
再生デジタル符号と、録音入力からのデジタル符号をデジタルのままでミキシングできる。
また、VTRをもう1台用意すると、デジタル信号のまま重ね録音でき、音質が劣化せずにダビングできる。
なお、ソニーのPCM-10同様にREC MUTE付きで、無音部分を作ることができる。
エンファシス機能があるため、SN比をさらによくすることができる。
ローディ PCM-1400 \1,500,000
VHS、ベータともに使えるプロセッサー。
14ビット直線量子化の本格派。
DSLCと呼ばれるコントロール回路により、テープ上のPCM信号を最良の状態で取り出せるようになっている。
デジタルダビング可能、エンファシス可能、高品質のアナログ回路などを持っている。
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