レーザーディスクプレーヤーの部屋

最終更新日1999年1月13日

参考文献・コロナ社刊 ビデオディスクとDAD入門


【概要】

【レーザー方式】

 開発したのはオランダのフィリップス社とアメリカのMCA社。
 だが、実用になるプレーヤーを発売し、育てたのは日本のパイオニア社である。

 ディスクに記録された信号を、レーザー光線によって光学的に読み取って再生する。
 レーザー光線をディスクの凹凸に当て、反射してくる光の強さの変化を受講素子で受けて電気信号に変えて再生するというもの。

 ディスクにはCAVとCLVの二種類がある。
 ディスク直径はどちらも30cmで、後年にLDシングルなる20cm直径の規格も設定された。
 CAVは毎分1800回転の等速度で回転し、片面30分、両面で60分の再生が可能である。
 CLVはディスクの外周と内周とで回転速度が異なる。
 毎分、内周で1800回転、外周で600回転と変化させながら再生する。
 片面60分、両面で120分の再生が可能である。
 CAVでは1トラックに1フレームが記録されているので、多彩なトリックプレーが可能である。
 一方、CLVではディスクの内周と外周とで記録されているフレーム数が異なるため、当初はトリックプレーができなかった。
 しかし、デジタルメモリーの普及でトリックプレーが可能になった。
 もちろん、ランダムアクセスも可能である。

 他の二方式と違い、ディスクがむき出しのままである点も特徴である。
 アメリカでは1980年6月から、日本ではパイオニアが1981年10月から発売開始した。
 なお「レーザーディスク」というのはもともとはパイオニアの商標名だったが、あまりにも知名度が一般に広まりすぎてとうとうパイオニアも無償で商標を開放したという。
 一般大衆に「レーザーディスク」という言葉が認知されたのは今は演歌歌手になっている吉幾三氏の「俺あ東京さ行ぐだ」の中の歌詞からだと思う。
 おかげで吉氏はパイオニアからレーザーディスクセットをもらったという。
 うらやましい話だ。(^_^;)
LD-1000
PIONEER LD-1000 \228,000

 今ではこの方式だけしか生き残っていないレーザー方式のビデオディスク。

【広告より】
パイオニアレーザーディスクLD-1000仕様についての解説
ビデオ・ディスクは80年代のビジュアル・オーディオの中心的な存在として、又、全く新しいメディアとして、今までに無い多くの機能と性能を持っています。
パイオニア・レーザーディスクLD-1000は、Philips、MCA方式に基づく光学式ビデオ・ディスクとして日本で初めて発売されました。
レーザーディスクは、記録、再生ともにレーザー光線を使い、オーディオディスクのようなダイヤモンドやサファイアの針を使用しません。
この為、3つの大きな特長を備えています。

1.ハイ・クォリティな音と映像を半永久的に再生し続けます。
音声、画像は放送局送りだし基準と同等以上の高品質な再生が可能です。
しかも、ピックアップにレーザー光線を使用する非接触式ですから、ディスクの摩耗は全くなく、高品質な絵と音の再生は半永久的に続きます。
2.正確で、早いランダムアクセスや、各種トリックプレイが可能。
画像とともに記録されたフレームナンバー(標準ディスクのみ)、チャプターナンバーを利用し、短時間で見たい画面を正確に探し出すことができます。
又、1トラックに1画面が記録されている(標準ディスクのみ)為、静止、スロー、早送り、逆転、コマ送りという各種トリックプレイが自由に行えます。
これらの操作は、すべてコンパクトな赤外線式リモコンで、離れたところから可能です。
3.ディスクの表面は、プラスチックで保護され、取り扱いはきわめて簡単です。
片面に54,000本のトラックを収めた高密度なディスクの表面は、厚さ1.2mmのプラスチック保護幕で被われ、ホコリや、すりキズから大切な信号を保護しています。
これは、レーザー光線を使用するディスクで初めて可能になったことであり、パッケージや、保存方法を大幅に簡略化することができます。
従来のオーディオディスクより取り扱いが簡単になりました。

この三大特長は、マイコンの応用や、プログラム内蔵ディスクの開発等、多くの技術との結合により、更に多くの可能性を持ち、単に「絵の出るレコード」としてではなく、21世紀に向けての大きな情報メディアとなる要素を持っています。

 レーザー方式は当初はFM変調によるアナログ音声だけだったが、後年にCDと同等の16ビットデジタル音声が規格化された。
 まだコンパクトディスクが低価格になる前だったので、デジタル音声再生には外付けユニットが必要だった時代がある。
 せっかくデジタル音声が入ったのに、アナログ音声とのレベル差を防ぐために当初は音声再生レベルが非常に低いものであった。
 時代が進みデジタル音声が主流になった1989年頃からようやく通常の再生レベルとなり、本来の実力通りの音を聞くことができるようになった。
  以下はデジタル音声対応プレーヤーの例。
LDP-505
SONY LDP-505 \159,800(85/11)
ソニーのレーザービジョンプレーヤー。
名前が不自然なのは、まだ「レーザーディスク」という名称が使えなかったため。
愛称を「Lasermax」と呼んでいた。
デジタルサウンドを聞くためには、別売のDSP-501が必要だった。

DSP-501
SONY DSP-501 \45,000(85/11)
Lasermax用デジタルサウンドプロセッサー。
対応プレーヤーにつないでデジタルサウンドを再現。

DP-L1000
A&D DP-L1000 \158,000(87/11)
資料御提供は愛知県の宮下様です。
パイオニアのOEMモデル。
水平解像度420本以上、映像SN比46dB以上というすばらしいスペック。

LD-X1
PIONEER LD-X1 \400,000(89/12)
資料御提供は愛知県の宮下様です。
たぶん現在でも愛用者は多いと思われる、LDプレーヤーの最高峰機種。
カタログにもReference Laser Disc Playerと書いてある。

philips
資料御提供は愛知県の宮下様です。
レーザーディスク規格でさんざん世界中を翻弄させたフィリップスのプレーヤー。

MDP-9
SONY MDP-9 \148,000(87/5)
ソニー初のLDとCDのコンパチブルプレーヤー。
とはいっても通常のLDのトレイとCDのトレイとは別になっていた。
左下がCD専用トレイである。
ようするに単体のLDプレーヤーとCDプレーヤーを組み合わせたもので、当然第二弾は出ないまま消えた。
この次からはピックアップは同一だが、モーターをそれぞれのディスク用に二個つけたシリーズを発表していた。

 VHD方式との戦争に勝利した直接の要因はコンパクトディスクとのコンパチブル再生タイプを発売したことであろう。
 パイオニアCLD-9000という型番だったと記憶している。

LV-5000DS_1
LV-5000DS_2

PIONEER CLD-9000と同型機 TEAC LV-5000DS

 その後はLD方式がビデオディスクの主流になるが、レンタルビデオの普及によりあいかわらず一般家庭への普及率は遅々として進まなかった。
 VHD陣営だったはずのヤマハがいきなり水平解像度400本のスペックを掲げ、なおかつ十万円を切る低価格のLDプレーヤーを発売していっきにLD方式の勝利が確定した。
 その後も各社低価格プレーヤーを発売したが、アイワが39800円まで定価を下げてもやはり普及しなかった。
 業を煮やしたパイオニアは1992年、ようやくLDレンタルに踏み切ったが、時既に遅かった。
 おかげでいまだにLDはマイナーなまま、DVD登場で消える運命にある。


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